データサイエンティスト(以下DS)界隈でちょっと前から話題になっていた『データ分析失敗事例集』(2023年08月03日発売)を御恵投いただきました。
結論から言うと、現役DSはもちろんですが、これからDSを目指そうとする学生さんや転職希望者に強力にお勧めしたいです。
まず、よくあるキラキラDSのhypeな成功事例からは伺い知れない、泥臭い仕事の実態が垣間見えるので、DSの実像を感じることができます。
また、PoC、CTR、MVPなどの用語に細かい脚注が付いているので初学者が基礎知識を付けるのにも最適です。
せいぜい5~6個のエピソードが載っているのだろうと思ったら、25個も事例が載っていてビックリです。
現役DSであればいくつも同じような経験をしていることでしょう。
他人事ながら胃が痛くなります。
各事例はもちろん匿名なのですが、あの企業やこの企業を当てはめて想像するのもまた楽しいです。
いくつか(胃に)刺さったワードをピックアップすると、
- 超巨大ダッシュボード
- 深層学習に対して過剰な期待を持っており
- (なにか披露したい)
- 結果ありきのマーケティングシナリオ
- 誰にも見られなくなったレコメンド結果
- 担当データサイエンティストは退職した
- いくら分析したところで、売れないものは売れない
……キャベジン飲もう。
失敗を紹介するだけでなく、ちゃんと「失敗の原因と対策」「学び」などのフォローもされています。
このあたりもDS志望者には大変勉強になると思います。
ということで、現役DSはビール片手に、DS志望者はRやPythonの教科書と合わせてお読みになることをお勧めします。
こうした失敗事例を集めた書籍はそう多くないですが、成功事例を集めたモノよりも学びが多いと思います。
個人的には『失敗から学ぶマーケティング』もおすすめです。