モダンチョキチョキズ全アルバムレビュー

令和版モダチョキモダンチョキチョキズ)の東京初ライブにうっかり参加してしまってから、モダチョキ熱が冷めない。

それで30年ぶりぐらいにアルバムを聴きなおしているだけど、当時は気付かなかったいろいろな発見があって面白い。

なので熱に浮かされた状態でアルバムレビュー(というほどでもないメモ)でも書いてみる。

『ローリング・ドドイツ』

1992年7月22日リリース。

収録曲は以下。

  1. ハロー!ドドイツ
  2. 主夫の生活
  3. あたまはクラクラおめめはグルグル
  4. 恋の山手線[小林旭のカバー]
  5. 新・オバケのQ太郎
  6. 甘い予感[アン・ルイスのカバー]
  7. しとやかな獣
  8. 愚か者[近藤真彦萩原健一のカバー]
  9. B.M.W. (Black Magic Woman)[サンタナのカバー]
  10. サラリーマン ノー デリカシー バット ナイス ピープル【サラリーマン太平記
  11. ティーンエイジ ドドンパ
  12. さよならはつらいよ
  13. 「ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説」予告編

衝撃のデビュー作といったところ。

前半はTheモダチョキと言えるキラーチューンの雪崩打ち。

「恋の山手線」「新・オバケのQ太郎」「愚か者」はカバーなんだけど、原曲に敬意を表しつつも完全に「これがモダチョキだ!」という音楽となっているのが素晴らしい。

Señor Coconut*1やNouvelle Vague *2の仕事と比べても全く遜色がない。

令和版モダチョキのライブでも盛り上がりましたね。

そして特筆すべきは、ちょいちょい挟まれるフィリップ君のダジャレの切れ味の鋭さ。

これは本当にモダチョキでしか体験できない。

一方でアルバムとしてのまとまりには欠ける。これは1stアルバムなのでまあ仕方のないところ。

あと、ヌルピョンの魅力は音だけでは伝わらないなー、というのとモダチョキの重要なコンポーザーである長谷部信子さんの楽曲が含まれていないのが今となっては物足りないところです。

『ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説』

1993年6月21日リリース。

収録曲は以下。

  1. コンガと私
  2. 24時間宇宙一周
  3. 海の住人
  4. ふられ節
  5. 初恋の丘[由紀さおりのカバー]
  6. 続しとやかな獣 (博士のテーマ)
  7. ジャングル
  8. 蛇はスネーク (HEAVY IS SNAKE)
  9. 主婦になったバーゲン娘 (ガンポンギーのテーマ)
  10. アルサロ ピンサロ (パヤツのテーマ)
  11. 野菜あたま ROCK
  12. 有馬ポルカ (BESARABIA)[Sam Liberman y su Orquestaのカバー]
  13. あの世へ帰りたい
  14. 凍りの梨~ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説~
  15. 喝采[ちあきなおみのカバー]
  16. 博多の女[吉村うみぼうず*3のカバー]
  17. 「くまちゃん」予告編

まあ、名盤っす。

きゃりーぱみゅぱみゅも幼少のみぎりに愛聴していたそうな。

複数の作曲者がいて局長も多彩で、カバー曲も多く含むのに、アルバムとしての構成がすばらしい。

そのうえで長谷部信子さん作曲の名曲群「海の住人」「ふられ節」「凍りの梨」、保山ひゃんの歌詞(替え歌)が冴える「有馬ポルカ」、そしてそしてモダチョキでしか成立しえない「アルサロ・ピンサロ」「博多の女」、なんなんだ「蛇はスネーク」、最後を締める「博多の女」と個々の楽曲の完成度が高い。

そして、ここが大事なんだけど、笑いの要素が違和感なく差し込まれてる。それがアルバムとしての完成度を高めてる。

改めて評価されて欲しい1枚です。

『別冊モダチョキ臨時増刊号』

1994年6月22日リリース。

収録曲は以下。

  1. 天体観測
  2. ジャングル日和
  3. 素敵な空気
  4. 感情移入反応鑑識報告
  5. らいか いのしし
  6. 自転車に乗って、
  7. コント・コンデンサ
  8. サンタがまちにまっている
  9. THE 絶望行進曲
  10. 流行性感冒 INFLUENZA
  11. 主夫の生活'94
  12. CHEAP JOKE IN JAPAN
  13. 新・オバケのQ太郎 MEGA MIX
  14. 最果ての唄
  15. オリエンタル マジック ステレオ ドラマ

さて、ここからが問題なのです。

これはここまでに出たシングルに未発表曲とリミックス、コントを加えた編集盤です。

おそらくタイアップの付いたシングルがそこそこ売れて、タイミング的にまとめて出しておきたかったのでしょう。

「ジャングル日和」はCMに使われたのでモダチョキは知らなくてもこの曲は印象に残っている人も多いでしょう。

「自転車に乗って、」と「天体観測」は長谷部信子さん作曲の名曲。モダチョキのポップサイドの代表曲と言っていいでしょう。

「天体観測」は編曲がフェアチャイルド戸田誠司さんで軽快なテクノポップ調の仕上がり。

未発表曲の方にも「素敵な空気」という佳曲があります。一聴して「遊佐未森っぽい?」と感じましたが編曲の中原信雄さんが遊佐未森さんのスタッフでもあるのですね。なるほど。

しかしながら、全体としてはまったくまとまりがなく、一つの作品として聴くのはちょっとツラい。
YMOの『サービス』みたいな構成なんだけど、途中に挟まれるコントが厳しい。フィリップ君の使い方を間違えてるよ……

ちなみにSpecial Thanksの欄に真城めぐみさんの名前があります。このころからかかわってらっしゃったんですね。

『くまちゃん』

1994年11月2日リリース。

収録曲は以下。

  1. T.D.L.
  2. エケセテネ
  3. トムのいる木蔭
  4. ドロンゲーム
  5. I wish...
  6. バブル~DJ&BGM(part 1)
  7. 林檎殺人事件(郷ひろみ樹木希林のカバー)
  8. デートコース
  9. 新 しとやかな獣
  10. 上辺よし子さん~DJ&BGM(part 2)
  11. くまちゃん
  12. 悲しみのマーナ
  13. 「MADE IN TAIWAN」予告編

3rdアルバムにして現段階ではラストアルバム。

迷走感が否めない。端的に言ってモダチョキっぽくない。なんかキレイなJ-Popにまとめようとして失敗してる。

「エケセテネ」とか「I wish...」とかいい曲もあるのだが、モダチョキが得意なはずのカバー曲もなんか違う感じ。

なお、「I wish...」は濱田マリさんと真城めぐみさんのデュエットとのこと。

おそらくこのアルバムの制作中にフィリップ君や長谷部信子さんが脱退している。まあ、いろいろあったのであろう。

クレジットを見ると是方博邦、白井良明仙波清彦などと豪華なんだけど、逆にそれがっモダチョキっぽくなくしているのかも。

レディメイドのモダン・チョキチョキズ』

1997年2月21日リリース。

収録曲は以下。

DISK 1

  1. B.M.W. (Black Magic Woman)
  2. ハロー!ドドイツ
  3. エケセテネ KONISHI'S EDIT
  4. 自転車に乗って、 (remixed by KONISHI yasuharu)
  5. トムのいる木蔭
  6. らいか いのしし
  7. チープジョーク イン ジャパン
  8. ピカソ (MODER-CHOKIES MIX)
  9. 新・オバケのQ太郎 (MEGA MIX)
  10. 主婦になったバーゲン娘 (ガンポンギーのテーマ)
  11. 愚か者
  12. 土曜の夜何かが起きる(黛ジュンのカバー)
  13. 博多の女
  14. アルサロ ピンサロ (パヤツのテーマ)
  15. 天国への段階
  16. くまちゃん
  17. あの世へ帰りたい

DISK 2(8cmCD/ボーナストラック野郎)

  1. 恋の山手線 イン カラオケ~詩の朗読
  2. 渚のエンジェル adult mix
  3. エケセテネ (ほんの一部)
  4. 信じた私がバカラック
  5. OH! チェルシー

さて、これが大問題。

おそらくはモダチョキの活動が難しくなって、契約消化のために出されたベスト盤。

タイトルから分かる通り、小西康陽が選曲、編集、リミックスを担当。

分かりやすいのが「自転車に乗って、 (remixed by KONISHI yasuharu)」で、これピチカート・ファイヴ「ベイビィ・ポータブル・ロック」とのマッシュアップです。

「ピピカソ」ってなんか水曜日のカンパネラの「エジソン」っぽいよね。

これだけだと、あえて入手するほどではないんですが、問題は付属の冊子で、モダチョキの全歌詞が載ってる。さらに主要メンバーのリストも!

ということで資料として手元に置いておきたいです。


はい、以上です。

ライブ楽しかったので、また東京でやって欲しいなぁ!


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